保育士志望なら知っておきたい絵本『はらぺこあおむし』(エリック・カール)の裏話

『はらぺこあおむし』(偕成社)

「はらぺこあおむし」という絵本は知っている方も多いと思います。

1969年に上梓されて以来、世界の子どもたちから愛されている絵本です。

先日、作者のエリック・カールさんの訃報が世界をめぐりました。

この絵本の内容は知っていても、その作者や出版の経緯などは意外と知られていませんので、その辺のことをお伝えします。

目次

世界で子どもたちから愛され続けている絵本

『はらぺこあおむし』の作者 Photo by Fred Rockwood

1969年に出版以来、世界で子どもたちに不動の人気を誇っている絵本「はらぺこあおむし(原題:The Very Hungry Caterpillar)」。

1969年にWorld Publishing Companyから出版され、後にPenguin Putnamから出版されました。

エリック・カールさんの3作目の作品で、腹を空かした青虫が、さまざまな食材を食べ、蛹になって蝶になるまでを描いています。

当時としては斬新なコラージュのイラスト、「食べられる」穴の開いたページ、シンプルな文章、数の数え方、曜日、食べ物、蝶の一生などを描いた作品です。

カールさんは、穴あけパンチからインスピレーションを得たといいます。

「ある日、紙の束に穴あけ器で穴をあけていたら、本の虫が思い浮かんで、『ミミズのウィリーとの一週間』という物語を作ったんだ」

編集者のアン・ベネデュースさんは、「ミミズでは好感の持てる主人公にはならない」と、代わりにイモムシを提案し、カールさんが『バタフライ!(蝶々)』と言って、この「あおむし」は誕生したといいます。

「はらぺこあおむし」は、紙質、ページごとの幅の違い、ページの穴あけなど複雑な装丁のため、米国内の製本所や印刷工場では断られ、編集者のアンが探し出したのは、日本の印刷・製本会社でした。

つまり、「はらぺこあおむし」は、日本で誕生したとも言えます。

史上最高の子供向けクラシックで、英国王立昆虫学会も推奨

出版された年の1969年には、ニューヨーク・タイムズ紙が「その年のベスト・テン・ピクチャー・ブック」のひとつに選んでいます。

1970年にアメリカグラフィックアート協会賞、1972年にフランスのセレクション・デュ・グランプリ・デ・トレーズ賞、1975年に日本の中森読者賞など、数多くの児童文学賞や主要なグラフィックデザイン賞を受賞しています。

出版以来、1分間に1冊のペースで売れていると言われており、「史上最高の子供向けクラシックの1つ」と評されています。

絵本が出版されたのは1969(昭和44)年。その後オランダ語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、日本語、イタリア語、ポルトガル語、スウェーデン語、ロシア語、ヘブライ語など、70以上の言語に翻訳され、1億4500万部以上も発行され(Wikipedia英語版)、世界各地で親しまれて来ました。

ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領夫人のバーバラ・ブッシュが識字率向上キャンペーンの一環として使用したこともあり、また英国王立昆虫学会からも推奨されています。

バーバラ・ブッシュの息子で、当時テキサス州知事だったジョージ・W・ブッシュは、子どもの頃に読んだお気に入りの本を聞かれた時、出版当時大学生だったにもかかわらず、なぜか『はらぺこあおむし』を挙げました。

2009年、グーグル(Google)は「はらぺこあおむし」の出版40周年を記念して、メイン検索ページのロゴをこの本で使われているスタイルにしました。

2011年、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は、米国での健康的な食事のキャンペーンのために、関連する学習ツールを備えた本書の特別版を医療従事者に送付したといいます

日本語版は1976年、翻訳は児童文学作家のもりひさしさん

日本語版が出版されたのは、7年後の1976(昭和51)年でした。

日本語に訳したのは、児童文学作家、翻訳家、教育評論家である、もりひさしさんでした。

もりひさしさんは本名・森久保仙太郎。和光小学校の教員を務めつつ、昭和20年代後半から30年代に児童に大人気だったラジオ番組「ちえのわクラブ」の司会者としても活躍しました。森比左志のペンネームでも活躍し、『こぐまちゃん』シリーズなどでも知られます。

2018(平成30)年に101歳で死去しました。

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DVD、関連書籍や玩具、教育ツールなども豊富

現在、関連書籍や教育ツールなどの商品が数多く作られています。

『はらぺこあおむし』は、2006年4月24日にDVD化されました。

アメリカではディズニーからDVDが発売されました。

また、このDVDは「はらぺこあおむしと他のお話(The Very Hungry Caterpillar and Other Stories)」というタイトルで、10曲入りのCDにもなりました。

ポップアップ版や、ユニバーシティ・ゲーム(University Games)社の本とカードゲームの組み合わせなどもあります。

『はらぺこあおむし』をベースにした、あるいはフィーチャーしたその他の玩具や教育リソースも豊富です。

『はらぺこあおむし』を題材にした知育ビデオゲーム『はらぺこあおむしのABC』が株式会社サイバードから、Wiiウェアとして配信されました。

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