保育士が幼稚園教諭免許を取るのが容易な「幼保特例制度」とは?

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保育士資格保有者は、幼稚園教諭免許が取得しやすくなっています。

令和6年までの特例制度です。

大学(短大)か通信教育で8単位以上を取得し、幼稚園教員資格認定試験(3科目)に合格すれば、幼稚園教諭免許が取得できます。

この特例制度によって保育士が幼稚園教諭免許を取得する容易な方法を解説します。

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保育士資格があると、幼稚園教諭の免許が取得しやすい

保育士資格があると、幼稚園教諭の免許が取得しやすくなります。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

幼稚園教諭一種免許状

出願時に学士の学位があり、保育士資格を有し、保育士として3年かつ4,320時間以上の実務経験がある方(見込みでも可)。

幼稚園教諭二種免許状

出願時に高等学校を卒業しており、保育士資格を有し、保育士として3年かつ4,320時間以上の実務経験がある方(見込みでも可)。

一種と二種の違いは、一種のほうが給与面で優遇されたりはありますが、仕事面での違いはありません。

ただ、幼稚園の園長になるには一種免許状が必要です。

因みに逆に幼稚園教諭の免許状保有者は、容易に保育士資格が取得できます。

資格の大原

幼稚園教諭が保育士資格を特例で取得する条件

幼稚園教諭免許状取得者で3年以上かつ4,320時間以上の実務経験を有する方が、特例教科目(4科目)8単位を履修修了することにより、保育士試験の全科目が免除される。

幼稚園教諭免許状・保育士資格の併有を促進するために、幼稚園教諭免許状所有者の保育士試験における保育士資格取得の特例が設けられた。〈新たな認定こども園制度施行(平成27年4月以降)から10年後までの特例〉

(1)8単位の取得

指定保育士養成施設において、以下の特例教科目を受講

福祉と養護..2単位
保健と食と栄養..2単位
乳児保育..2単位
子ども家庭支援論..2単位

(2)3年かつ4,320時間の実務経験

対象施設は以下のとおり

幼稚園、認定こども園、保育所、特別支援学校幼稚部、 小規模保育事業を実施する施設、事業所内保育事業を実施する施設、 特例保育を実施する施設、 認可外保育施設(認可外保育施設指導監督基準を満たし、一定規模の集団により 継続的に保育を行う施設)、幼稚園併設型認可外保育施設

計算例※6時間×20日×3年(36ヶ月)=4,320時間

(1)及び(2)の要件を満たした場合

保育士試験の筆記試験及び実技試験の免除

<試験科目を免除できる場合>

  1. 幼稚園教諭免許状所有により、保育士試験のうち、「保育の心理学」、 「教育原理」及び実技試験(保育実習実技)の免除
  2. 3年かつ4,320時間の実務経験により、上記科目に加えて「保育実習 理論」の免除
  3. (1)で修得した単位数に応じて、上記科目に加えて、「社会福祉」、 「社会的養護」、「子どもの保健」、「子どもの食と栄養」、「保育原理」、 「児童家庭福祉」の免除

※2と3が特例によるもの。

  

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修得すべき8単位とは?

そのうえで、特例制度に基づく講座(特例講座)を開講している大学(短大)か通信教育で、5科目8単位を修得する必要があります。

8単位とは、以下の内容です(文科省Webサイトより)

  • 教職の意義等に関する科目2単位以上(教職の意義及び教員の役割並びに教員の職務内容(研修、服務及び身分保障等を含む。)
  • 教育の基礎理論に関する科目2単位以上(教育に関する社会的、制度的又は経営的事項に係る2単位以上を含む。)
  • 教育課程及び指導法に関する科目3単位以上(教育課程の意義及び編成の方法に係る1単位以上並びに保育内容の指導法並びに教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む。)に係る2単位以上を含む。)
  • 生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目1単位以上(幼児理解の理論及び方法に係る1単位以上を含む。)

幼保特例制度とは?

保育士資格の保有者が幼稚園教諭の免許を取得しやすくするために「幼保特例制度」が時限的に作られました。

幼稚園と保育園の一体型である「幼保連携型認定こども園」という新たな教育施設の開始に先立って用意された制度です。

「幼保連携型認定こども園」の職員となるためには、原則として幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を所持していなければいけません。

そのため、スムーズに認定こども園への移行ができるように、幼保特例制度によって両方の資格が取りやすいような仕組みを国が作ったわけです。
 
ただ、単位の修得後は、各都道府県教育委員会の教育職員検定を受けねばなりません。

検定に合格すれば、晴れて幼稚園教諭免許状が授与されます。

【関連記事】保育士資格が必須または保育士が優遇される保育園以外の職場 こども園も>>>

幼稚園教員資格認定試験の受験資格は?

幼稚園教員資格認定試験の受験資格には、以下のようにいくつかの受験資格が設けられています。

  • 平成13年4月1日までに生まれた人(※2021年度試験)
  • 高等学校を卒業した者、その他大学(短期大学及び文部科学大臣の指定する教員養成機関を含む。)に入学する資格を有する人
  • 保育士(国家戦略特別区域限定保育士を含む)となる資格を有した後、幼稚園・認定こども園・指定された施設で保育士として3年以上働き、勤務時間の合計が4,320時間以上を超えた人

幼稚園教員資格認定試験

幼稚園教員資格認定試験は、合格率が開示されていません。

ただし、すべての科目で6割以上を得点しなければ合格できません。

試験科目択一式試験2科目
論述式試験1科目
試験時間各50分
受験料20,000円
合格ライン6割以上の正答

過去2年以内に当該科目に合格している場合は免除されます。

現在は保育士として働いていない場合でも、保育士資格を所持しており、過去に3年でかつ4,320時間以上の実務経験があれば、幼保特例制度の対象となります。

複数の施設で働いていた場合でも、それぞれの施設での勤務時間を合計して3年かつ4,320時間を満たしているのであれば、制度を利用できます。ただし、実務証明書はそれぞれの施設で発行してもらう必要があるため、事前に発行しておきましょう。

教育職員検定の詳細や必要書類については、各都道府県教育委員会にお問い合わせください。

文科省のWebサイト

独立行政法人教職員支援機構のWebサイト

幼稚園教諭の普通免許状に関する資格の期限付き特例とは

平成24年に改正された法律において創設された新たな「幼保連携型認定こども園」は、学校教育と保育を一体的に提供する施設であるため、その職員である「保育教諭等」については、「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・資格を有することを原則としています。

一方で、新たな「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるため、同法施行(平成27年4月)後5年間は、幼稚園教諭免許状または保育士資格のいずれかを有していれば、保育教諭等となることができるとされています。

この特例制度は、これらの規定の趣旨を踏まえ、同法施行後5年後までに幼稚園教諭免許状及び保育士資格の併有を促進し、新たな「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるために設けられた制度です。

令和元年6月7日に公布された「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和元年法律第26号)」により、「認定こども園法一部改正法及び教育職員免許法」が改正されました。

このことによって、幼稚園教諭免許状又は保育士資格のいずれかを有していれば保育教諭等となることができる期間および幼稚園教諭免許状取得の特例の期日が、認定こども園法一部改正法の施行の日から5年間であったところ、10年間(令和6年度末)に延長となりました。

以上、文科省Webサイトより

つまり、令和6年という期限付きですが、保育士資格を保有者は、幼稚園教諭免許の取得が比較的容易に取得おできるし(逆に幼稚園教諭免許取得者が保育士資格を取得するのも容易です。)、また「こども園」への就職も保育士資格のみで可能だということです。

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