働いていて勉強時間があまり取れず、しかも年齢が高い(アラカン)筆者が、独学で保育士の筆記試験に挑戦。
作戦どおり、2回の受験(2020年後期と2021年前期)で合格できました。
そんな私の学習法、試験対策、私が使ったテキスト本などをご紹介します。
最初から2回の受験で合格する作戦
さあ、保育士試験を受けよう! と思ったときに、勉強の方法は、通信教育を受けるか、市販の教材を使って独学で頑張るかのどちらかだと思います。
>>[通信教育]比較! 5社の講座の受講料、教材内容、質問回数の違いは?
私の場合は、独学でした。
保育士試験は9科目あり、一度合格した科目は3年間繰り越せます。
そこで、1回目ではできるだけたくさんの科目で合格し、
2回めで、残りの科目に合格する、という作戦で行くことにしました。
最初は、翔泳社の『保育士完全合格テキスト』を購入して、テキストを読みながら、ノートにまとめるという勉強方法を取りました。
でも、これは時間がかかりすぎて失敗!
しかも、このテキストは、「社会福祉」から始まっています。
「社会福祉」って、一番ムズカシイ、保育士試験のラスボス的存在なんですよ〜。
「社会福祉」がなかなか覚えられなくて、足踏みしている間に時間がドンドン過ぎていき…。
それで、勉強のやり方を替えたら、うまく行って、2回めの試験で9科目全部に合格できましたので、その勉強法をお伝えしたいと思います。
合格体験記はこちら>>[保育士試験合格体験記]50代60代でも遅くない!私はこうして合格した!【筆記試験編】
テキストは読まずに、問題集から始める。
テキストを読んだり、ノートにまとめるのはやめて、いきなり問題集から始めることにしました。
使ったのは、翔泳社の『保育士完全合格問題集』です。
この問題集は、過去数年分の保育士試験からよく出る問題を集めて、左ページに問題、右ページに詳しい解説が掲載されています。
最初は問題をみても解けないので、考えずにまず解説を読んでしまいます。
問題を見てからの方が、最初からテキストを読むより、クイズのようで頭に入るんです。
その後は、1問ごとに、解説を自分なりにノートにまとめます。
いわば、右ページがテキストの役割をしているのですが、分厚くて上下巻もある『保育士完全合格テキスト』に比べて、圧倒的に量が少なく、とっつきやすいです。
さらに、問題を見てから読むので、「こういうふうに出題されるんだ」ということがつかめて、理解しやすかったと思います。
1回目は、問題を見る、解説を読む、ノートにまとめる、の作業を繰り返します。
解説を読んでも、よくわからないことは、テキストやネットで調べて、ノートに補足します。
ですので、ノートはぎっしり書かずに、ゆったりと記入して、あとから余白に補足できるようにしました。
さらに、もっと追加したいときのために、A5のルーズリーフを使って勉強しました。
そうやって1周したら、2回目は、問題を解く、解答を見る。
間違えたら、ノートを見て理解する、を繰り返します。
間違えた問題には、付箋でチェック。
3回目は、付箋の問題を解く、解答を見る。
正解なら付箋を外す。
これを、付箋がなくなるまで繰り返します。
ここまで来たら、多分、保育士試験の殆どの科目で、合格できると思います。
『保育士完全合格問題集』の使い方
- 問題を読むが解こうとはせず直ぐ解説を読む
- 1問ごとに解説をノートにまとめる(ノートは余白を残す)
- 問題を解く
- 間違えたらノートを見て理解する
- 間違えた問題に付箋をする
- 付箋のついた問題を解き、解答を見る
- 正答なら付箋を外す
- 付箋がなくなるまで繰り返す
通勤時間やスキマ時間の活用
働きながら保育士試験を受ける場合、どうしても勉強時間が足りません。
家事や子育てもあるかもしれません。
そこで、通勤時間や、スキマ時間の活用が大切かなと思います。
私は、成美堂出版の、『保育士一問一答問題集』を通勤時や、病院や銀行の待ち時間などに見ていました。
本試験では5つくらいの選択肢から正答を選ぶのですが、こちらは一問に一答です。
左ページが問題、右ページ解説で、短時間や細切れな時間、スキマ時間にできます。
やはり、できなかった問題には付箋をつけて、できたら外す、ということを繰り返します。
最初は、付箋だらけですが、だんだん付箋が減っていくのが楽しいです。
付箋がなくなったら、また最初からやってみると、案外忘れていて、また付箋がつくことになります。
この「一問一答」はあくまでスキマ時間用で、私にとってのメインは翔泳社の『保育士完全合格問題集』なので、完全に終わらなくても気にしません。
苦手科目などがあれば、その科目を中心にやっても良いと思います。
スキマ時間にはアプリを活用するのも良い方法です。
>>[無料アプリ]保育士試験対策おすすめ6選〜スキマ時間に学ぶ
YouTubeの活用
最初に知ったときは驚きましたが、たくさんの保育士試験対策のYouTubeチャンネルがありました。
中でも、『ほいくんの保育士チャンネル』にはお世話になりました。
洗濯物をたたみながらとか、片付けものをしながら聞き流しているだけで、重要なワードが頭にこびりつきました(笑)。
相性もあると思うので、YouTubeで「保育士試験」で検索して、いくつか見てみると良いと思います。
疲れ切って、今日はテキストも問題集も開きたくない〜という日も、YouTubeを見るだけなら、なんとかできますよ。
あえて深堀りしてみる
試験対策の勉強というと、要点ばかり並べがちで、深いところまでなかなかやらないと思います。
でも、重要な人物などは、あえてネットなどで調べて、その人の人生を知ると、すぐに頭に入って、結局は近道だったりします。
たとえば、『こども家庭福祉』の重要人物である、岡山孤児院を創った石井十次と、滝乃川学園を創った石井亮一は、同じ石井なのでひっかけ問題として出題されることがあります。
確かに、名前だけを暗記しようとすると、混乱します。
でも、もう少し詳しく調べてみると、石井十次は、実は出身地が私と同じ宮崎県であることが分かりました。
何かしら自分との接点を見つけると、すんなり頭に入って来ます。
「岡山四聖人」の一人とされていますが、岡山県の出身ではなかったんですね。
医師を目指して、岡山医学校(現在の岡山大学医学部)で研修中でしたが、生活に困窮する母親から子供を預かったことをきっかけに、孤児院を創設するに至ったそうです。
大阪に「愛染橋保育所」も創設していて、現在も「愛染橋保育園」がその流れをくんで活動しているとのことですが、私の持っているテキストには出ていませんでした。
過去問で、「石井十次は愛染橋保育所を創った」という問題があり、私は、「石井十次は岡山孤児院だよね!」とバツにしましたが、実は丸だったんです!
まあ、そういう問題はめったに出ませんけれど、人間は何かをするとき、必ずきっかけや動機があるので、その人物の背景を知ると、すぐに覚えられるし、勉強も楽しいと思います。
かたや、石井亮一は、「知的障害児の父」と言われた人です。
立教大学在学中にクリスチャンになり、留学を志すも体が弱く断念。
立教大学付属の立教女学校の教諭になったのですが、なぜ知的障害児の父と呼ばれるようになったのか?
ネットで調べればすぐに出てくるので、よかったら調べてみてくださいね。
顔写真もあれば、よりイメージしやすいですね。
年号なども、○○が✗✗年、というのではなかなか覚えられませんが、時代の流れがありますので、そういう背景を追っていくと、案外、覚えられます。
特に、保育士試験は、○○は何年か? といった問題はほとんどでなくて、法律などの順番を問う問題が多いです。
この法律を創ったけれど、こういうことがうまく行かなくて、新たにこういう法律ができた、といった流れを掴むと良いのかなと思います。
過去問の活用
1冊の問題集をひたすらやって、ほぼ完璧にしたら、今度は過去問に取り組みます。
試験にはそれぞれ傾向や癖がありますので、それをつかむことが合格のヒケツでもあります。
保養協(一般社団法人全国保育士養成協議会)のホームページに5〜6年分くらいの過去問と正答が掲載されていますので、全部が無理なら、最近の2〜3年分をやってみたら良いと思います。
過去問は多くの量を1回だけやるよりも、1年分でも2年分でも、できなかった問題は2度3度やって、完璧にしていくことが大事です。
でないと、同じような問題が出たときに、結局解けなかった、ということになります。
全く同じ問題が出ることはほとんど無いでしょうが、かなり似た問題が出ることはけっこうあります。
たとえば、2020年後期の「子どもの食と栄養」で、イラストを見て、一般的な幼児の食具(スプーンとかですね)の持ち方の変化の順番を答える問題が出ました。
2021年の前期では、問題の一部に、幼児のスプーンの持ち方の変化が、イラストではなく文章で示されました。
そういった形で、重要な問題は、形を換えて出題されます。
それと、保育士試験は、妙な引っ掛け問題もけっこうあって、知識としては分かっているのに、引っかかって失点してしまうことがあります。
過去問を何度もやることで、そういう傾向がつかめて、引っかかりにくくなるのではないかと思います。
「自分ノート」を作る
そうして過去問を解いていると、色々と分からないことや知識の曖昧なことが出てきますので、最初に作った、自分専用のノートに補足していきます。
何度も間違えるようなところは、マーカーをひいて目立つようにして、最後はこのノートを見れば、自分の弱点が分かるところまで持っていきます。
本試験の前日や当日は、分厚いテキストや問題集は片付けて、このノートだけを見て、知識の確認をします。
試験会場に持って行くのも、このノートだけです。
それでも、見たことも聞いたこともないような「なにこれ?」な問題が出るかもしれません。
でも良いんです。
その問題は捨てても、全体で6割取れれば合格なんですから。
2021年前期の「社会福祉」が難しくて、ネット上に、「保育士試験のテキストや問題集だけやっていても無理。社会福祉士のテキストを使って勉強する」という声がありました。
時間に余裕があれば、それも知識が深まって良いかもしれませんが、試験に合格することが目的なら、その必要はないと私は考えます。
現に、私は問題集1冊と5年分の過去問だけで、70点とれました(実際には受けていないので、自分でやってみての自己採点ですが)。
どんな試験でもそうですが、合格のコツは、「1冊の良い問題集(またはテキスト)を徹底的にやる」ことと、「過去問」を繰り返し解くことです。
もちろん、本番で分からない問題でも一所懸命考えて(知識がなくても、よく読めば、前後関係などで答えが分かる場合もけっこうあります)、これかな〜と思う答えにチェックを入れるのは大事です。
マークシートですからね。
5分の1の確率で、正解になるかもしれません。
最後は運も味方につけて、合格を勝ち取りましょう!
まとめ
合格するための学習法のコツは、「1冊の良い問題集(またはテキスト)を徹底的にやる」ことと、「過去問」を繰り返し解くことです。
市販の問題集を使った具体的な学習方法
- 問題を読むが解こうとはせず直ぐ解説を読む
- 1問ごとに解説をノートにまとめる(ノートは余白を残す)
- 問題を解く
- 間違えたらノートを見て理解する
- 間違えた問題に付箋をする
- 付箋のついた問題を解き、解答を見る
- 正答なら付箋を外す
- 付箋がなくなるまで繰り返す
過去問は、多年分を1回だけやるよりも、1年分でも2年分でも、できなかった問題は2度3度やって、完璧にしていくことが大事です。
皆さんのご健闘をお祈り申し上げます。